育むことで成長する
~10月11日のメッセージ~
※高い山の山頂にある学校。
私は教師として、麓から通勤していた。
あまりに急な坂道で、自転車で通うのも厳しく、
三輪車を担いで登り、帰りは片足で乗って下っていた。
学校の傍には、吊り橋のような細くて長い橋が架かっていて、
そこに若い父親と一年生ぐらいの男の子が現れて、
「この子が、どうしても先生(私)と遊びたいというのでお願いします」と、引き留められた。
私は、「こんな高い場所で遊ぶと危ないし、恐いから、地べたでなら遊んでもいいですよ」
と言うと、二人とも納得した様子で、頷いて喜んでいた。
学校は囲いが無く、施設は襖のような戸で開け閉めが行なわれていて、開放的な感じ。
田舎のような感じで、庭には小鳥や犬が飼われていた。
元気に走り回っていて、小屋に戻してあげようと行ってみると、
その小屋は、鳥籠も半分開いた状態で、完全に扉を閉めている訳では無く、
ある程度自由に動き回れるが、寝る場所、休む場所は、
一定の小屋で、という風に決められているようだった。
私は水と餌が有るかを確認すると、少し足りないようだったので、
水と餌を足してあげた。
自分もご飯を食べようと、学校の食堂の様子を見ると、
他の先生が食べ残したスパゲッティーだけしかなく、
それを食べたくはなかったので、
麓まで帰って食事をして来るか、どうしようかと考えていた。
犬が室内でお漏らしをしたので、後始末をしていた。
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先日、職場で児童虐待の話題が出たことや、
子育てマイスターのニュースを耳にしたことが、関係あるのかもしれません。
全体的に、育て方の基礎・基盤というような感じがします。
建物は開放的であり、自由な感じでありつつ、決まりは存在する。
遊びは大事ではあるが、危険から身を守る必要がある。
生きる為に必要なことと、それに伴うマナーやルールのような決まり事。
躾は大事ですが、厳しいと逆に反動が起こります。
子供が納得出来るように、理由を分かりやすく丁寧に話すことが、大事です。
そのバランスが難しいところですが、繰り返し反応を見て、
変えて行けば、その子供に合った対応の仕方も見えて来ますね。
三輪車は、小さい子供の乗り物ですが、軽くてコマも付いているので、
柔軟な発想が大事なことを示しているのでしょう。
自分の子育て以外でも、
仕事として、子供さんのお世話や、動物のお世話もしたことがありますが、
動物の子供も、小さい子供とよく似ています。
しっかりと遊んであげることと、躾けるべきところは教える。
其の様に真正面から向き合って接し続けることで、
自分がいつの間にか大人として成長しているんですね。
昨日のメッセージで、一人前と記しましたが、
そうして、船出をするまでには、「育む」という体験を積み重ねが重要で、
手間は掛かるけれど、
人が最も成長することの出来る近道ということになるのでしょう。